2012年9月4日火曜日

落語「死神」

先週は落語講座にいっぱいのお運びありがとうございました。

今回の演目は「船徳」でしたが、
今日は前回の「死神」についてのお話。

死神、なんて落語らしからぬタイトルですが、
このお話、元ネタはなんとグリム童話。
明治の大名人「三遊亭圓朝」
「死神の名付け親」という物語をもとにして作ったとされています。


「死神の名付け親」はこんな話。

『あるところに貧乏な男がおりまして、その家に13人目の子供が産まれました。
(…実に無計画ですな)
とにかく名付け親をさがさなっくちゃあならないと、
男が表に出て最初に会ったのが神様。

名付け親になってやろうと言う神様に対して男は
「おまえさんは金持ちには物を与えて、貧乏人は飢えさせておくから御免だ」
と言って断ります。

次に会ったのは悪魔でした。しかし、
「おまえさんは人を騙したり、そそのかしたりするからいけない」
と断ります。

最後にやってきたのが死神でした。
「おまえさんは金持ちも貧乏人も区別せず平等に連れて行くから、おまえさんに頼もう」
と死神に子供の名付け親になってもらうのですが…』


落語「死神」はこの子供が大きくなってからの場面から始まります。

話の面白さゆえ、人気の高い落語ですが、
笑いとゾクッとくる怖さを同居させるバランスが難しい。

落語というといわゆる笑い話というイメージが強いかと思いますが、
怪談話や人情噺など色んな話があります。
また演者によって同じ話でも全く違った印象になったり、
観客の世代や価値観によって、笑いどころや楽しみ方が違ってきます。

笑うもよし、悲哀を感じるもよし、江戸の風情に思いを馳せるもよし、
哲学的な要素を含む話に深く考えてみるのもよし、
「楽しみ方」の幅の広さが落語の身上でございまして。

なんにせよ落語はお客さんに「楽しんで頂ける」のが一番です。

落語講座では解説も含めてちょいと小難しい感じに
なることもありますが…(スミマセン)

そんな楽しめる落語の場をこれからも
聞きに来てくださる皆様と一緒に作っていければと思います。

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