先週は落語講座にいっぱいのお運びありがとうございました。
今回の演目は「船徳」でしたが、
今日は前回の「死神」についてのお話。
死神、なんて落語らしからぬタイトルですが、
このお話、元ネタはなんとグリム童話。
明治の大名人「三遊亭圓朝」が
「死神の名付け親」という物語をもとにして作ったとされています。
「死神の名付け親」はこんな話。
『あるところに貧乏な男がおりまして、その家に13人目の子供が産まれました。
(…実に無計画ですな)
とにかく名付け親をさがさなっくちゃあならないと、
男が表に出て最初に会ったのが神様。
名付け親になってやろうと言う神様に対して男は
「おまえさんは金持ちには物を与えて、貧乏人は飢えさせておくから御免だ」
と言って断ります。
次に会ったのは悪魔でした。しかし、
「おまえさんは人を騙したり、そそのかしたりするからいけない」
と断ります。
最後にやってきたのが死神でした。
「おまえさんは金持ちも貧乏人も区別せず平等に連れて行くから、おまえさんに頼もう」
と死神に子供の名付け親になってもらうのですが…』
落語「死神」はこの子供が大きくなってからの場面から始まります。
話の面白さゆえ、人気の高い落語ですが、
笑いとゾクッとくる怖さを同居させるバランスが難しい。
落語というといわゆる笑い話というイメージが強いかと思いますが、
怪談話や人情噺など色んな話があります。
また演者によって同じ話でも全く違った印象になったり、
観客の世代や価値観によって、笑いどころや楽しみ方が違ってきます。
笑うもよし、悲哀を感じるもよし、江戸の風情に思いを馳せるもよし、
哲学的な要素を含む話に深く考えてみるのもよし、
「楽しみ方」の幅の広さが落語の身上でございまして。
なんにせよ落語はお客さんに「楽しんで頂ける」のが一番です。
落語講座では解説も含めてちょいと小難しい感じに
なることもありますが…(スミマセン)
そんな楽しめる落語の場をこれからも
聞きに来てくださる皆様と一緒に作っていければと思います。
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