このお話の中にサイコロを3つ使った博打「きつね」が出て参ります。
(博打そのものの場面は描かれませんが)
講座では演目終了後、皆様に「きつね」を体験していただきました。
もちろん景品は当方で全て用意しておりますので、
手が後ろに回ることはございませんからご安心を。念のため。
江戸時代に庶民の間で流行ったとされるのが、この「きつね」と
「ちょぼいち」というサイコロを一つ使った博打です。
まずは「ちょぼいち」がどんなルールだったのかご説明。
「親」が壺と呼ばれる、籐や竹で編んだ器の中でサイコロを一つ振り、
「子」はどの目が出ているのか当てるというもの。
当たれば賭け金の5倍の配当がもらえ、外れれば賭けた金は親に全額没収。
というルール。
ここで「配当」という言葉が出て参りました。
「5倍の配当」と言った時に、もらえるお金が
A:賭け金も込みでの5倍の金額
なのか
B:賭け金+5倍の金
なのかがわからない、という方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
つまり100円賭けて当たったときに手元に戻ってくるのは
A: 100×5=500円
B: 100円+500円=600円
A、Bどちらなのかという話です。
「4倍もらえる」なんて言った場合も、
どちらの意味で使っているのか判然としません。
この「配当」という言葉、ギャンブルの世界では、
Aという意味で使っている人もいれば、Bという意味で使っている人もいます。
A方式は日本の競馬などの公営ギャンブルにおける方式です。
例えば100円で馬券を買って配当(オッズ)が3倍だとすると、
当たったときの払戻金は300円になります。
つまり馬券を買った元手(100円)は戻って来ない、「配当金」=「払い戻し金」のパターン。
例に挙げたA、Bどちらの方式かといえば、Aですよね。
その昔アタクシが小学生の頃、「クイズダービー」というクイズ番組がございました。
司会は大橋巨泉さん。
一般人の出場者が5名の解答者の中からクイズに正解すると思う解答者1人に
自分の持ち点(最初の持ち点は3000点)から任意の点数を賭けていき、
最終的には10万点を目指す、というものでした。
このとき解答者によって点が増える倍率が違うという設定。
当時の解答者は、はらたいら、篠沢教授、竹下景子+2名といったメンバー。
苦手な問題の多い篠沢教授は6倍、
正答率が極めて高いはらたいらさんは2倍、
三択の女王(古い!)竹下景子さん3倍といった具合。
例えば出場者が持ち点3000点の状態で、3倍の竹下景子さんに500点賭けたとします。
竹下さんが不正解のときは、外れとなって持ち点から500点引かれ2500点になります。
正解した場合はどうなるかというと、出場者の持ち点は3000点から4500点に増えます。
賭けた500点はそのまま残って、+3倍(1500点)という計算。
これは先程例に挙げたA,Bどちらの方式かといえばB。
カジノなどで用いられる海外方式といえます。
とにかく日本の公営ギャンブルとは違う方式。
当時クイズダービーを見る度に2つ年上の兄(当時小学生)は
おかしいおかしいと首をひねっていました。
「混乱する人が出るからクイズダービーはケシカラン!」
と兄は大学生になってからも憤慨しておりましたが…
まあとりあえず言葉の意味を決めておかないとわかりにくいので、
このブログでは「5倍配当」といったら、先にご説明したA方式、
「100円賭けて当たった場合に、手元に戻るのは500円」
と定めて、お話を進めていきます。
ちょいと長くなりましたので、本日はこれまでといたします。
「ちょぼいち」の確率についてはまた次回の講釈。
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