2011年7月8日金曜日

葛根湯医者

江戸時代には「葛根湯医者」ってのもいた。

誰が来ても葛根湯しか出さない医者の事です。
現在でも葛根湯は薬局なんかで売ってます。

強い薬は、毒になることがある。副作用もあるし、
処方を間違えば、病状を悪化させる事もある。

そこで「葛根湯」です。
これは、副作用が少なく、悪影響が出にくい。
頭が痛くても、腰が痛くても、おなかが痛くても、目が痛くても
「葛根湯おあがり」ってなわけです。

ただ、科学的根拠の少ない医療の中で、このやり方は
あながち間違いともいえません。

ヒポクラテスは言いました。
「患者に利すると思う治療を選択し、害と知る治療を決して選択しない」

葛根湯医者は医療過誤をおこしにくいという点で、江戸時代の
他の医者よりも優れていたと考えられます。

この時代の「利すると思う治療」の効果はあいまいで、
かえって悪化させることも少なくなかった。
利害のバランスを考えると、下手な事をするより
「害かもしれない治療を決してしない」に徹するほうが正しい。
そう考えた医者が「葛根湯医者」になったのではないのでしょうか。

薬をもらっただけで安心してよくなる人もいます。
「葛根湯医者」は本当に効果のある治療がはっきりしない時代においては
名医だったといえるかもしれませんね。

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