未だに残る厳しい徒弟制度の世界。
なぜそういう世界に飛び込むのか。
それはそこでしか得られないものがあるからです。
整体でも色んな学び方があります。
私は弟子入りをしましたが、一般的には講習会や学校に通って勉強します。
この場合、授業料の対価として技術を教えてもらえます。
しかし体を使う技術、感覚が大切な技術において、
肝心な情報は個人に属しています。
武道、料理人、落語家、整体師、
その中で、名人、達人と言われる人の技は
できるだけその人の傍にいて
繰り返し繰り返し鍛錬して
感性的な部分まで勉強しなければ
身に付けることは難しい。
情報はセミナーでも買う事ができるが、
この感覚の部分は一朝一夕では身につかない。
また公の場では秘技、秘伝は開示されないのが常です。
弟子になることでしか得られない報酬が確約されていることで
徒弟制度は成立してきたといえます。
私はどうせやるならば一番うまい人の下で
修行しようと、落語家、整体師と
弟子入りをするときには吟味させて頂きました。
師匠選びは3年かけろ、なんてよく申しまして。
しかし現在、落語などの演芸はプロでなくても
DVDなどの映像で勉強することが出来ます。
しかも名人と謳われた落語家の映像で(下手でつまんないとDVD化されない)。
つまり秘技秘伝だだ漏れ状態という。
だから落語協会に所属する落語家にはなれなくても
落語自体はうまくなれるというわけで。
社会人落語でも上手な人がこれから増えていくでしょうね。
しかしそうなると、落語家の弟子の報酬は、
「芸」ではなく「協会所属の落語家」という権益の獲得になってしまう。
さあ困った。
伝統芸能のアイデンティティーが脅かされております。
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