2011年11月17日木曜日

ためしてガッテン「驚異の回復!腰の痛み」に見る医療の姿勢


今朝から日本中の整形外科は、手術キャンセルの対応で、てんてこ舞いかもしれません。

昨日放送された、NHKのためしてガッテンは、腰痛を抱える人にとっては
ちょっとビックリする内容だったのではないでしょうか。
(ご覧になっていない方は番組HPに詳しく紹介されています→コチラ
再放送は【22日深夜】午前0時15分~1時00分)
お知り合いでヘルニアの方がいたら是非教えてあげてください。

何と言っても、

「ヘルニアは腰痛の犯人ではない」

「ヘルニアはほうっておいても消失することがある」

という事実を視聴率の高いテレビ番組が言ってのけたのです。


番組を見て最初の感想としては、よくあそこまで言えたなあと。

「腰痛がない人にもヘルニアがある」という事実は私が整体の修行を始めた
15年以上前でも、新聞の健康関連記事で取り上げられることはありました。

しかしそうした主張をする医師は、日本の医学界では少数派、異端だったのです。
また医学界で「今まで間違えてました」と言うのは極めて難しいことなんです。
そこには先人や組織が正しいとしてきたことを否定できないシステムがあります。
(徒弟制度の弊害、ブログ記事は→コチラ)日本の大学はさらに複雑かもしれません。

この番組で「きょうの健康」にも出ておられた
愛知医科大学学術的痛みセンター教授の牛田享宏先生は、
「ヘルニアが自然消滅する」という事実を「最近わかってきた」とおっしゃっていました。
このこともやはり10年以上前から新聞などで取り上げられることはありました。
2002年頃のNHK「きょうの健康」でも、出演していたどこかの大学の先生が
このことをボソッと言ったのを記憶しています。

徒弟制度的構造が少し変わってきたこと、
さすがにおかしいと思う先生が増えてきたこと、
多くの国内のデータが揃って来たこと、
おかしいと思う先生がある程度の地位についたこと、
さまざざまな総合的状況が変化して、

やっと最近、日本で大々的に言えるようになった、ということなのでしょうね。

でも山瀬まみちゃんが言っていました、
「今までに手術しちゃった人がかわいそう」

ホントですよ。

なぜ今までの説が支持されたのか。
どういう社会背景があったのか(前回記事→腰痛手術は日本社会が選んだ?)
なぜ医学界やマスコミは事実を早く知らせなかったのか。
そういう検証はしないでおいて、ヘルニアに対する「国民的大誤解」とか仰る。


「国民的大誤解」って?


誰が誤解させたの?


「○○に対する国民的誤解」で済ませておいて、しれっと、「最近はこんな学説があります」


15年以上前から警鐘を鳴らしている人達がいたのにも関わらず。


間違えた事に対する検証がなされなければ、
この「○○」にはひょっとしたら、これから先いろんな違う言葉が入るかもしれません。
しかし後になって、悩み苦しむのは一人一人の「患者」です。

こういう構造の中で、ひどい目にあわないためには、
まず個人がフラットな視点で、自分自身で情報収集しないといけない、ということです。
今回番組で取り上げた事実の多くは、何年も前からネット検索でも知ることができました。


一つ早めに言っておきたいことがあります。
今回「ヘルニア」は腰痛原因として大々的に否定されました。
実は私の整体院でも、病院でヘルニアと診断されてお見えになる方は
この2、3年で随分と減ってきています。
それと反比例して増えているのが、あの『みのもんた』も手術した「脊柱管狭窄症」です。

ところが「脊柱管狭窄症」という病名がついているにも関わらず、狭窄症の特徴的な症状のない、
10年前なら絶対にこの病名がつかなかったような状態の人が最近あまりにも多すぎる。

かつての「ヘルニア」のように画像診断だけで病名を決定するようになったのではないのか?
そう疑わざるを得ないような「脊柱管狭窄症」が増えている。

この件はまた詳しく書きますが、

「それ見たことか!」なんて事実はもうゴメンなんです。
手術をして後悔している人を何百人も見ている身としては…。


今回紹介された、ストレスの改善が腰痛を楽にしてくれるということ。
犬を飼ったりするような、好きなことを見つけること。
そんなことで治る人もいる!という事実をまず知ることが、
ヘルニアの呪いから解き放たれる第一歩です。
とりあえずリスクはない治し方ですし。

そして、それでよくならないときに、医療がバックアップする。
それもはっきりしていない以上は、なるべくリスクの少ない治療を選択する。
私は現状では腰痛治療に対する姿勢としては、それが一番正しいと思います。

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